11-38. セリ
セリ(図1)は、西洋では食べる習慣はないそうであるが、東洋では2000年前の弥生時代から食用とされてきた。
芹(せり) 薺(なずな) 御行(ごぎょう) 繁縷(はこべら) 仏の座(ほとけのざ)
菘(すずな) 蘿蔔(すずしろ ) これぞ七草。
この57577の歌は、1362年に書かれた源氏物語の注釈書『河海抄』という書物に出てくるそうであるから、日本でも相当昔からセリは食べられていたということが分かる。
筆者は高校時代、水前寺公園や江津湖によく出かけた。どちらも湧水池であるが、20数年前からこの近くの田んぼでは阿蘇山からの湧水を使って育てるセリ畑ができ、今は「水前寺セリ」の名で出荷されている。セリは清水でなければ育たない植物であるが、球磨盆地でも、清らかなせせらぎの岸辺や汚水や泥水も流れ込まない湿地によく生えていて、筆者も小魚とりしながら取った覚えがある。八代在住の不知火さんからは「セリのおひたし」とか、「セリ鍋」を紹介していただいたが詳細は不明。
そこで、熊本市の「くまもと農商工連携サイト」からセリ料理レシピ2例と画像(図2と図3)を以下に示した。
図1. セリ | 図2. セリの香りご飯 | 図3. セリ入り油餅 |
セリの香りご飯の作り方:
1)米は洗って、普通の水加減で炊く。
2)新生姜とみょうがはせん切りにする。梅干しは種をとり、果肉を包丁でたたいて
ボウルに入れ、薄口醤油と合わせておく。
3)水前寺せりはゆでて1cmの長さに切り、青シソはせん切りにする。
4)寿司おけに1)と2)、ちりめんじゃこを入れ、ひねりゴマを加えてしゃもじで
混ぜる。
5)4)に3)を混ぜる。
せり入り油餅(ヨウピン)の作り方:
1)ボウルに薄力粉と強力粉とベーキングパウダーを合わせてふるい、ぬるま湯を加え、
箸と手で混ぜる。
2)1)をまとまるまでよくこね、ラップに包んで20分ねかす。
3)合びき肉はザルに入れ熱湯をかけておく。
4)セリはみじん切り。
5)2)を2等分し、乾いたまな板に打ち粉をした上で、それぞれめん棒で長方形
(10cm×20cm)に伸ばし縦長にする。縁側1cmを残してラードを塗り、塩をふって
3)、4)を順に散らし、手前からうず巻き状に巻く。4等分して、打ち粉をして
手で押し広げ、直径10cm 位に伸ばす。
6)フライパンでゴマ油を熱し、5)を入れて蓋をし、弱火で両面、約9分、きつね色に
焼くと出来上がり。