11-26. グミ
自然の果物をオヤツに食べた記憶は柿や栗ばかりではなく梨や蜜柑もある。梨も、今日では品種も「幸水」とか「豊水」とか多様だが、まだ錦町には20世紀梨があるのだろうか、あの20世紀梨(なし)が瑞々しくておいしかった、懐かしい、と言われるのは錦町一武出身の高田さんである。それぞれの地の特産品がふるさとの味になっているのだが、グミは商品になるようなものではなかったが、グミが懐かしいという方も何人かおられる。
グミとは、果汁などをゼラチンで固めた菓子、1980年代、明治製菓が発売して人気を博した「果汁グミ」のことではない。自然界の果物のグミのことである。果実の「グミ」は大和用語で、ドイツ語のゴムを意味するお菓子のグミとは全く別物である。グミの木(図1)は、我が家にも、叔父の家にも、関西会の八重子さん家にも、図2に示すような、小指ほどもある大きなびっくりグミの木があった。
知らなかったが「びっくりグミ」は「ダイオウグミ」ともいうそうである。びっくりグミに似た「西洋グミ」というのもある。古来日本のグミより大きく新品種だからその名があるのだろう。グミは熟さないと渋いが、真っ赤に熟すると口に入れてもとろけるように種だけが残る。熟するのは麦秋のころで、幾つかまとめて頬張ればいいものを、グミに筒状の麦わらを刺し、汁を吸い取った記憶が筆者にもある。図3は、グミジャムへの加工例である。
図1. グミの木 | 図2. びっくりグミ | 図3. グミジャム |