11-23. からいも飴
「・・からいも飴やからいも水飴を母が作っていました。鍋でゆっくり、しゃもじで回していたのを覚えているだけで、詳しい作り方やレシピはわかりません・・」という便りは、あさぎり町の深田出身の千代さんである。
「からいも飴」?筆者には記憶にないオヤツである。どんな飴だろうかと検索してみたら、鹿児島県産や宮崎県産の「からいも飴」(図1)、「芋ねり飴」(図2)。なんと、近くの天草で、天草特産の「からいも水飴」(図3)がアマゾンで売られていた。図は、これらの画像の転載で、アマゾン商品である。指宿にあるイモ水飴元祖、坂本屋は、お茶請けに「からいも飴」というタイトルのYouTubeをアップしていた。
図1. からいも飴 | 図2. 芋ねり飴 | 図3. からいも水飴 |
図1の袋に入った飴は約220円前後、図3の瓶詰めの水飴は650円前後である。このような「からいも飴」は、戦時中の物資統制令下でも、ヤミ市で売られていたそうである。甘いものが全くなかった時代だから買い求めるひとは絶えなかったという。この「からいも飴」の作り方やレシピも、昭和22年、 尾崎準一氏編の「芋類加工の理論と實際」という本の中に詳しく述べてある。
麦芽を使う方法では、まず蒸したカライモ水を加えて潰し、泥状態にし、これに麦芽を加えてこし、冷却して成形する。麦芽を使わない方法は次の通りである。
1)生いもと同量の水を80℃に温め、生イモを卸金(おろしがね)で擦りこむ。この際、
温度を60~80℃に保ち、すりおろしたものがすぐ半のり状態なるようにする。
2)すりおろしたイモはすぐ湯に入れないと着色するので注意する。
3)いもを全部おろし込み、80℃以上にならないように注意しながら十分にのり状にし、
お粥(かゆ)の固さくらいにする。
4)次に60~80℃の恒温槽に数時間入れて糖化させ、その後一度、煮沸して布袋でこし、
そのろ過した液を煮詰めて上に浮いてくる混ざりものを2~3回すくい取り、濃縮すれば
「からいも飴」の完成である。